これからの住宅のかたち

高齢者向けバリアフリー住宅

 わが国の高齢者人口は、平均寿命の伸びとともに著しく増加。2020年頃には総人口の約1/4が65歳以上の高齢者になります。
 そこで問題となるのが、従来の健康な人を基準に建てられた住宅をどう変えていくかということです。健康で自由に体を動かすことができる人びとには使い勝手のよい住宅も、高齢者には不自由な面が多いものです。40代、50代では問題にならなかった部屋と部屋との仕切りの段差や手すりのない浴槽でも、立ち座りでバランスを崩し転倒を招き、ケガをする危険性も高まります。
 高齢者向けバリアフリー住宅とは、加齢によって身体の自由が利かなくなった居住者でも、安全に便利に、快適に生活できるよう設計された住宅のこと指します。

こんな点を改善したい

高齢者が快適に過ごせるためには、以下のような諸点を考慮するとよいでしょう。

・玄関は座れたり、手すりをつける
・部屋と部屋の仕切りの段差を解消する
・廊下などに手すりをつける
・夜は足元灯や常夜灯をつける
・浴槽は入りやすい高さにする
・シャワールーム、便所は暖房を入れて暖かくする。
・便座は座れる洋式にする
・階段は広く、勾配は緩やかにする
・階段に滑り止めを貼る
・車椅子で動ける通路幅を確保する
・必要ならばエレベーターをつける
・ドアノブをレバーハンドルにする
・スイッチを大きく、見やすくする
・介護機器の取り付けを考えておく

下の図は、高齢者に配慮した実例です。ちょっとした工夫でケガを防止したり、不安な気持ちが解消されるだけに、できる箇所から取り組むことをお勧めします。

高齢者の使い勝手を考えた台所
腰かけられる玄関、段差を解消したフロア

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