家づくりのチェックポイント

家を建てるにあたっては、用途地域や建ぺい率・容積率など、いろいろな制限があり、これらの規制をクリアすることが必要です。敷地の状態・条件によっては、設計変更のみならず、計画そのものを最初からやり直さなくてはならない事態にもなりかねません。
ここでは、家を建てる際の制限の基本となる法規とプランニングの際のチェックポイントをいくつかご紹介します。

プランニングの前に必ず行いたいのが敷地条件の確認。 家族構成やライフスタイルで、プランは大きく違ってくる。 建ぺい率・容積率が家の広さを決める。 斜線制限が家の高さを決める。

■プランニングの前に必ず行いたいのが敷地条件の確認。
法規制や敷地境界線などの調査・測量と同時に、以下のポイントに沿って敷地の条件も把握しておくといいでしょう。

1.道路
敷地が接している道路の交通量や人通りをまず確認します。騒音が気になるのなら、リビングや寝室などくつろぎを大切にしたい居室は道路から離して配置したほうが無難です。
2.隣家
都市部では隣家と密着して家を建てるケースも少なくありません。こうした場合、隣家のキッチンやトイレが接する方向にリビングなどを設けない工夫が必要です。逆に隣家のリビングの間近にこちらのトイレや換気扇などの排気口を設けることも避けるようにしましょう。
3.日照・通風
道路や隣家からの騒音や視線を遮りつつ、十分な日照や通風を得ることができるかどうかもチェックポイントの1つです。条件的に難しい場合には、中庭形式やトップライト、ハイサイドライトの採用なども検討するといいでしょう。

■家族構成やライフスタイルで、プランは大きく違ってくる。
プランニングでは、将来にわたる家族構成の変化や、家族それぞれのライフスタイルを十分に考慮する必要があります。例えば親との同居を考えて2世帯住宅を建築しようとする場合、子世帯と親世帯がどのように交流していくかで、大きく次の3タイプに分けることができます。

1.完全独立型
玄関が2つで、棟の内部で世帯間の行き来ができないもの。互いの暮らしが干渉されないというメリットがあります。必要に応じて中庭などで出会うなどの工夫をしておくといいでしょう。
2.一部共用型
個室やキッチン、トイレなどを世帯ごとに独立させながら、玄関やリビングなどを共用するというもので、世帯間の交流は完全独立型よりもスムーズに行うことができます。
3.同居型
個室以外のすべてを両世帯で共用するものです。必要に応じて親世帯にトイレやキッチンなどを設けるといいでしょう。

■建ぺい率・容積率が家の広さを決める。
どれだけ広い家がたてられるのか?その基準となるのが建ぺい率と容積率です

1.建ぺい率
敷地面積に対する建築面積の割合で、家を平面で見たときの敷地面積に対する規模が決まってきます。
2.容積率
敷地面積に対するの延床面積の割合で、家を立体的にとらえたときの敷地面積に対する規模が決まってきます。
いずれも防火や衛生上の理由から設けられたもので、各自治体が用途地域ごとに建ぺい率、容積率を指定しているのが現状です。

■斜線制限が家の高さを決める。
建物の高さは、1.道路斜線制限、2.隣地斜線制限、3.北側斜線制限、4.日影規制によって規制され、そのうちのもっとも厳しい勾配の斜線内に家を建てなければなりません。

1.道路斜線制限(図1)
前面道路の反対側の境界線からの水平距離を基準とした高さ制限です。
2.隣地斜線制限
隣地境界線からの水平距離による高さ制限です。
3.北側斜線制限(図2
第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域だけに適用されます。北側の隣地境界線または道路の反対側の境界線からの真北方向の水平距離に1.25を乗じたものに
 第一種・第二種低層住居専用地域では5m
 第一種・第二種中高層住居専用地域では10mを加えた高さに制限されます。
4.日影規制
建物の日影時間を規制して日照の悪化を防ぐ目的で設けられている規制です。
第一種・第二種低層住居専用地域では、軒の高さが7mを超えるか、3階建て以上の建物が規制の対象となります。その他の地域では、建物の高さが10mを超える場合は規制の対象となります。

図1:前面道路斜線制限 図2:北側斜線制限
全面道路斜線制限 北側斜線制限


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