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賃貸借契約を締結する前に知っておくべきこと

質問 物件表示を見るときはどんな点に注意すべきか
答え 建物の所在地、交通の便、面積、間取り、家賃、共益費の確認
礼金(権利金)、敷金、保証金の確認。また敷金や保証金は明渡しのときにいくら返還されるか確認。
建物に使用上の制限があるかどうか。
店舗として使用する場合は、予定している用途に使用できるか。
居住用として使用する場合は、居住人数に制限がないか。など

質問 借りたい物件を見たときどんな点に注意すべきか
答え 最寄りの駅から建物までの所要時間は物件表示と異なる場合もありますので、実際に歩いて確かめるべきです。
日当り、周辺環境はどうか確認。
建物の面積、間取りなどが物件の表示どおりであるか、建物全体の管理が適切におこなわれているか確認。

質問 保証人とは?
答え 債務者(借主)が債務を履行しなかった場合に、その債務者に代わって債務を履行することを債権者(貸主)と約束した人をいい、この保証人が負う債務を保証債務といいます。

保証債務の範囲
・元本、利息、違約金、損害賠償(主たる債務に関する全てのもの)
保証債務の補充性
・貸主から債務の履行を請求されても、まず借主に請求するように求めることができる
・借主の財産に対して執行するように求めることができる

質問 連帯保証人とは?
答え 保証人が債務者に対して「主たる債務者と連帯して」債務を負担する人を連帯保証人といいます。普通の保証と比べて債権の保全がより強く実現できるので、利用が多いのが現状です。
連帯保証には上記のような<保証債務の補充性>がありません。
連帯保証人が何人かいたとしても、均等分割による支払いを主張することはできず、貸主から請求された金額の支払いに応じる義務があります。(その後他の連帯保証人に対して負担部分の割合で求償することはできます)

質問 家賃はなぜ前払いなのか
答え 民法614条では「毎月末」と規定されていますが、この規定は特約をつけることができます。
家主が家賃を遅滞なく得るために、賃貸借契約に前払い条項を入れることが一般化したためです。

質問 月の途中で契約する場合、家賃はどのように計算すべきか
答え 貸主と借主の契約によって決まりますが、日割計算をするのが通例です。

質問 共益費はなぜ物件によって異なるのか
答え 共益費の内訳はさまざまで、マンションなどでは、共用部分の電気料、水道料などが含まれますし、管理人を置いて管理している場合は、その費用が含まれていることもあります。また、家主の管理の手間賃も含まれているのが普通です。
このように共益費は実費に基づく部分と実費に基づかない部分を含んでますから、その金額にも大きな差異があります。

質問 礼金(権利金)とは何か
答え 一般に、業務用の場合は、業務上の利益の対価としての性質が強く、居住用の場合は、家賃の一部の一括払いとしての性質が強い、と言われています。
礼金(権利金)は、特別の約束がない限り返還されないのが通例です。しかし、賃貸借契約の途中で賃貸借が終了した場合、あるいは賃貸借期間の定めがなくて極めて短期間で終了した場合には、一部の返還を求めることができます。

質問 仲介業者が授受できる手数料の額は?
答え 宅地建物取引業者が建物の賃貸借を仲介した場合の報酬については、宅地建物取引業法第46条により上限が定められています。 原則、依頼者の双方(貸主・借主)から受けることのできる報酬の合計額は、借賃の1ヶ月以内です。一方から受けることのできる報酬の額は、借賃の1/2ヶ月以内ですが、依頼者の承諾があれば合計して借賃の1ヶ月以内の報酬を授受することができます。

質問 敷金とは?
答え 賃料支払や目的物を毀損した場合の損害賠償などを担保するための預り金です。 賃貸借が終了したときに、滞納家賃や借主の不注意で家屋を傷つけたことによる損害金などを差し引いて返還されます。

賃貸借契約を締結するときに注意する点

質問 定期借家契約でないか注意する
答え 平成12年3月1日より契約満了時に借主に建物を必ず明渡してもらうことができる定期建物賃貸借契約が認められています。

質問 賃貸借契約のどんな特約事項が有効か
答え 「期限がきたら必ず明け渡す」特約
借地借家法は、貸主が更新を拒絶したり解約を申し入れたりするには「正当の事由」がなければならないとし、その特約は無効です。
ただし、契約期間中または更新時にこの特約をした場合、例えば、借主が家賃を滞納したために契約を解除し一定の明け渡し猶予期間を定めた場合など、相当の理由があるときは有効となります。

「立退料等は一切請求しない」特約
賃貸借契約書にこの記載があっても法律的な効果はありません。
1.で述べたように貸主による更新拒絶や解約申入れには正当事由が必要ですから、正当事由が不十分な場合は、この特約があったとしても借主に立退料を支払って正当事由を補完せざるをえなくなります。

「更新料を支払う」特約
借主は更新料を支払うことによって契約を更新できるのですから、借主にとって必ずしも不利な特約とは言えず、その更新料が相当な額であれば特約は有効です。

「ペット飼育禁止」特約
犬猫などを室内で飼育すると、部屋を汚損したり、悪臭が染みついたりするだけでなく、衛生上の問題もあり、他の賃借人が鳴き声などで悩まされることもあるので、このような特約が結ばれるわけです。この特約は有効です。

質問 本当の家主でない者と借家契約をしたとき
答え 借主が家主の承諾を得た上で転貸をした場合、その転貸を受けた転借人は契約どおり建物を使用することができます。
家主の承諾を得ないで無断で転貸した建物に住む賃借人は、建物を明け渡さなければいけません。

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