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契約期間の満了と更新について

質問 賃貸借契約の期間が終了したら立ち退かなければいけないか
答え 定期借家契約ではない普通の借家契約では、借主を保護するために次の場合は、自動的に契約が更新されるとしています。(法定更新)
この場合、更新手続きは不要で更新後の契約内容は更新前と同一です。ただし、契約期間については期間の定めがないものとなります。

1.貸主が契約期間満了前1年~6ヶ月の間に、借主に対して以下の更新拒絶の通知をしない場合
・貸主自身がその建物や部屋を使う必要が生じたなど、正当事由を示して更新を拒絶する通知
・賃料、期間など契約の条件を変更しなければ更新しない、という条件付の更新拒絶通知
2.上記の更新拒絶通知後も借主が使用しているとき、貸主が遅滞なく異議を述べない場合

質問 契約期間が満了し、賃貸借契約を更新するとき更新料は支払うべきか
答え 借主が特約により「更新料を支払う」という合意をしていない場合は、更新料を支払う必要はありません。
貸主と借主が合意して契約更新した場合、更新料の支払いを伴うことが多いです。
いずれにしても、貸主には更新料を要求する法的根拠はありませんが、貸主と円満な関係を維持するために更新料を支払うほうが好ましいこともあります。

質問 更新料はどのように算定すべきか
答え 更新料の支払いについては法律は何も定めていませんから、更新料の算定方式があるわけでもありません。一般的に家賃の1~2ヵ月分などとするケースが多いようです。これより多額の更新料を要求するケースとして

・長期間家賃の値上げをしなかった場合(更新料家賃の3ヵ月分程度)
・更新後の家賃を値上げしない場合(更新料通常の1.5倍程度)があります。

質問 貸主は更新ごとに一定比率の値上げをしてよいか
答え 契約期間中でも家賃が不相当に低額となった場合は、値上げすることができます。
賃貸借契約書の中に「更新ごとに5%の値上げをする」という特約がある場合は借主はこの特約に拘束されます。
この特約に従わなければ家賃不払いを理由として賃貸借契約を解除されることになります。
値上げは、不相当に低額となった家賃を適正な家賃にするためのものですから、一定期間ごとに値上げるとしても、それは適正な家賃とするための相当な値上げでなければなりません。

質問 適正な家賃値上げの算定方法があるか
答え 計算方法としては、主に次のような方法があります。これらの1つによらず、複数の方法で計算した結果を比較して、そのうち妥当なもの、またはそれらの平均値を値上げ額とすることが多いようです。

物価指数などにスライドさせる方法
従来の家賃に、その後の経済変動率を乗じて算定
実質家賃との差額を配分する方法
建物と底地価格(通常は敷地価格の30~40%前後)に期待利回りを乗じ、これに維持管理費などの費用を加算して実質家賃を求めます。この実質家賃と従来の家賃の差額のうち、借主が負担するのが妥当な金額を値上げ額とします。
近隣の家賃と比較する方法
近隣にある複数の借家の家賃をピックアップし、建物と敷地の種類や経済的価値、賃貸借契約の締結時期や内容、各借家に特有の事情を考慮して補正を行い、それらの補正された複数の家賃と問題となっている家賃を比較して、適正な値上げ額を求める方法。

質問 貸主が大幅な値上げを要求してきたらどう対応するか
答え 借主は自分で相当と考える家賃を支払えば足り、これを支払っている限り、債務不履行の責任を問われることはありません。相当な家賃とは従来の家賃かそれ以上であれば足りるでしょう。
借主が相当な家賃さえも支払わない場合は、債務不履行となり契約を解除されることにもなります。

質問 契約の終了が月の途中でも、月額家賃を払うべきか
答え 月の途中で契約が終了した場合は、家賃は日割計算で支払います。
家賃を前払いしていた場合は、借主は貸主に対して契約終了日後月末までの日割家賃に相当する金額を不当利得として返還するよう請求することができます。
賃貸借契約書で「月の中途で契約が終了したときでも月額家賃を支払う」と特約があれば月額家賃を支払わなければなりません。

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