税務相談室
※法改正により、内容が変更になっている場合があります。
平成27年4月15日発行

[特別連載]民法改正が賃貸オーナー様に与える影響は?(1)

(vol1)

オーナー様が気になる話題について、ファイナンシャルプランナーの土井健司さんに解説していただきます。


120年ぶりの民法改正!」が昨年から話題になっています。
施行時期は未定ですが、今国会での審議が開始され、改正法案が可決すると思われます。
改正の内容は、個人保証・未払い金の時効・約款・法定利率など多岐に渡っていますが、今回お話ししたい項目は賃貸住宅に直接的に影響する「賃貸住宅に関連する項目」です。

中でも賃貸オーナー様にとって、影響があるのは、「敷金」と「原状回復義務」だと思います。
現在では、敷金に関しては返還するのが「当たり前」になりつつありますが、これまで敷金の返還については、個々の考え方や捉え方で変わったり、古くからの慣習に左右されたり、首尾一貫しない運用がされてきました。
その結果、賃貸住宅の退去時の敷金返還を巡って「敷金返還トラブル」も年々増加しているのが実情です。
今回の民法改正は、そんな現在の状況に、一石を投じることになります。

で、皆さんが気になるのは「民法改正後の敷金は、どうなるのか?」だと思います。
民法改正後は、敷金に関しては「賃料など金銭債務を担保する目的で、借主が貸主に交付する金銭」と明文化されます。
さらに「部屋を退去する場合には敷金を返還しなければいけない。」という義務も追加されます。

では、賃貸オーナー様は、原状回復費を一切請求できないのでしょうか?
次回は、敷金と借主の原状回復義務の関係を、具体的な事例を交えながらお伝えさせていただきます。




1級ファイナンシャルプランニング技能士
土井 健司さん
 
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