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残高が合わない!
複式簿記を使っている人から「残高が合わなくて困った。」という話を聞いたことはありませんか。ここで敷金の残高が合わないというのは、実際の残高、例えば、管理会社から送られてくる「家賃支払明細書」に示された敷金の残高と帳簿残高が一致しないことをいい、それは会計記録や経理方法に誤りがあることを知らせる”警戒警報“なのです。ところが、「うちは簡単経理だから、そんな苦労をしなくすむ。」なんて思っている人はいませんか。簡単経理だからと言って複式簿記と異なる答えが出ていいはずはありませんし、税務調査に際して複式簿記なら分かったはずの誤りが免責されるわけでもありません。要は、誤りがあっても本人がそれに気付かないだけなのです。
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こんな誤りはありませんか?
敷金の残高が合わない原因として考えられるのは次のとおりです。もし、ここに誤りがあると、敷金の帳簿残高は実際の残高より多くなり、結果として、所得の過少申告につながります。この点は税務調査でも関心が向けられるところであり、「残高が合わない。」ことを知らせる警報が鳴らない簡単経理では特に注意してください。
(1)入居者から受け取った敷金のうち「敷引」部分は家賃収入として計上すべきところ、これを「預り敷金」として計上していないか。
(2)退去工事費用のうち退去者が負担すべき費用を敷金と相殺したときは、その相殺額は敷金の返却(減少)として処理すべきところ、これを修繕費に計上していないか。 |
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帳簿のつけ方
現金や預金の出納だけを記録する簡易帳簿を採用している場合でも、複式簿記の場合と同じく、正しい所得の計算が求められます。
そこで、簡易帳簿でも日常の記録に次のような工夫を加えれば、決算に際して勘定科目を集計することにより、正しい所得(損益)の計算と敷金の残高照合が可能になります。ここに示す記載例のポイントになるのは、入居時にまとまったお金を一度に受け取り、あるいは、退去工事に際してまとまったお金を一度に支払ったときでも、あたかも勘定科目ごとに別々の入出金があったかのように記録することです。
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