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いつの収益として申告すべきか
これを具体的に言うと、今年1月分の家賃は昨年分の収益として今回の申告に含めなければならないのかという問題です。
これに関して所得税の扱いでは、入居者との間で「家賃はいつまでに支払わなければならない。」という約定があるときには、約定した支払の日を含む年度の収益とするのが原則です。賃貸マンションの場合は「当月分の家賃はその前月までに支払わなければならない。」とするのが普通ですから、この例に従えば、今年1月分の家賃は今回の申告に含めることになります。
なお、一定の条件の下に、今年1月分の家賃を昨年分の収益として計上しないやり方も認められております。詳しくは最寄の税務署にお尋ねください。
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資本的支出と修繕費
大規模な改修工事を行ったような場合、その支出した金額が修繕費になるのか、資本的支出として資産に計上すべきものなのか分からないときがあります。
そのようなときには、次のいずれかに該当するものであれば、修繕費として申告することを条件に、その支出年分の必要経費とすることができます。
(1)一つの修理、改良などの金額が60万円未満のとき
(2)一つの修理、改良などの金額がその資産の前年末における取得価額(資本的支出として資産の取得価額に加算した金額を含みます。)のおおむね10%相当額以下であるとき
ここで注意していただきたいのは、(2)にいう「取得価額」は、取得価額から減価償却費の額を差し引いた「帳簿価額」や「未償却残高」とは区別されることです。これを取り違えると(2)にいう「10%相当額」は小さくなりますので(2)の適用範囲を狭めてしまうことになります。
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電子証明書等特別控除
この制度の下では、納税者本人が電子証明書の付された住基カードでE-Taxをすると最高5,000円の税額控除を受けることができます。この制度は電子申告の誘引策として平成19年の申告分から導入されましたが、その恩恵は今年限りです。電子申告をする人の数は今後とも増加するとは思いますが、このラストチャンスを活かして、今年から電子申告を始めてはいかがでしょうか。
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新しくマンション経営を始められた方のために
(1)初めて賃貸マンションを建築された方に
マンションの賃貸事業を開始するまでには、建設工事代金以外にもさまざまな費用がかかります。測量費、印紙代、抵当権設定費用、司法書士報酬、各種負担金、さらには、建築工事期間中の支払利息などがそうです。これらの費用は事業を開始する前にかかった費用であるため安易に見捨てられがちですが、これらを繰延資産(開業費)あるいは減価償却資産として将来に繰り越せば、いずれは必要経費となる重要な財産です。確定申告に際しては、とりあえずこれらの費用を集計して、詳しくは最寄の税務署にお尋ねください。
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(2)賃貸マンションの相続登記費用
賃貸マンションの相続登記に際して負担した登録免許税や司法書士報酬は必要経費になるのでしょうか。これまでの扱いでは、これらの費用は個人的な費用と考えられておりましたので、これらを経費にすることはできませんでした。
ところが、平成17年の最高裁判決を受けて取扱い通達が改正され、同年1月1日以降に発生した相続に関するものについては必要経費とすることができるようになりました。
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節税のための手続き
読者の大半は、5棟あるいは10室以上の貸家を有する、いわゆる、事業的規模の納税者です。事業的規模の納税者は「青色申告特別控除(65万円控除)」と「青色専従者給与」の有資格者ですので、これまでこれらの特典を活用していない方は、今年こそその準備にとりかかってください。今年の確定申告期限までに「青色申告の承認申請書」と「青色専従者給与の届出書」を提出すれば、今年分から特典を使えるようになります。
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